XBOX 360 オブリビオン 5日目

ソロニールに、埋葬名簿を見せると、彼は目を丸くしひどく狼狽したようだ。
それはそうだろう、死者の墓場を暴いての品だ。
自分が扱っていた商品がそんなものだって知らされたら、誰だって吐き気がするだろう。
しばらくするとソロニールは、もう二度と彼とは会わないと約束してくれた。
やはり、ソロニールも元は良い人なのだ。
そんな彼から、アガマーから今夜はひどく大切な用事があると言っていたと聞いた。
「ひどく大切な用事」
ひょっとして、いや間違いない。
今夜もやるつもりだ。
俺は帝都の墓地へと赴いた。
ほどなくして、埋葬名簿にの最後に記されていたトレンティアス家の霊廟を発見した。
扉を見ると、封印が破られている。
間違いない、やつはこの中だ。
中に足を踏み入れると、やはりアガマーが居た、それも見知らぬ男と一緒にだ。
聞き入れはしないだろうが、一応説得してみる。
が、案の定聞き入れはしなかった。
もっとも、ここで説得を受け入れて貰っても困るが。
というわけで、さっくりと二人を倒す。
墓泥棒ごときが、たいした装備を持っているはずもないし、なにより俺はジョフリーから装備一式を新調したばかりだ。
そして、墓泥棒は、死罪と決まっている。
死者への冒涜は許されざる罪だ。
だが、それは埋葬された人々にであって、目の前の死体については別だ。
俺は死体となった二人から身包みを剥いだ。
文字通りに。
その中に、この霊廟の鍵とアガマーの家の鍵を見つけた。
アガマーの鍵か、家の主人は死んだんだから、俺が使っても問題ないだろう。
報酬としても申し分ないが、今の俺はそんなに強くない。
自惚れは、最大の敵なのだ。
野党に襲われたらそれこそ身包みはがされてしまうだろう。
そんな時鍵を持っていたら、間違いなく奪われる。
しばらくの間は、この鍵はジョフリーの宝箱に入れておくとしよう。
あそこなら安心だ。
俺は今後の生計に安堵すると、アガマーの墓泥棒としての証拠がないかさらに調べてみることにした。
奥にいくと、土が付着している状態のアガマーのシャベルを見つけた。
土は、この辺りの墓土のものだ。
これがあれば、やつの犯罪を証明できるだろう。
俺はとりあえず、そのシャベルを持ってソロニールの元へ戻った。
一部終始をソロニールに語ると、彼はすっかり改心したのか、盗掘品と盗掘品で得た利益の両方を神殿に寄付すると言ってきた。
思い切ったことをするものだとは思うが、彼なりのけじめなのだろう。
今後は、適正な価格で商売を行うそうだ。
いつか、この店で買い物する日もあるかもしれない。
ソロニールは尊敬の証として指輪をプレゼントしてくれた。
どうやらなにかしらの加護があるようだ。
ありがたく頂戴することにして、俺はコビアス商店を後にした。
さて、次は埋葬名簿とアガマーのシャベルを持ってジェーンシーンの所に行き、ことの顛末を語らねば。
話を終えると、ジェーンシーンがソロニールが商人互助会に入会したことを教えてくれた。
これで周りの店も安心だろう。
俺は心地よい気持ちで報酬を受け取った。
「はい、100ゴールドね」
…は?
たったの100?
俺、一応命がけだったんだよ?
それなのにたったの100かよ!
一瞬サツイが芽生えたが、思いとどまる。
ここで殺せば衛兵が飛んでくるだろうし、なにより商人の恩着せ計画が台無しだ。
まぁ、ソロニールから指輪を貰ったし、アガマーの家もある。
それを思い出すとやっと平静を取り戻した俺は、多少ヒキツリながらも笑顔でジェーンシーンの店を後にした。