涼宮ハルヒの一考察
ひとつ、想いをはせるエピソードがあります。
朝倉涼子。
あの時、長門は朝倉にこう言いました。
「あなたはわたしのバックアップのはず」
「独断専行は許可されていない。私に従うべき」
あの時の両者の行動に疑念を挟む余地はありませんでした。
では、今は?
ここで涼宮ハルヒの退屈−笹の葉ラプソディを思い出してほしい。
キョンと朝比奈みくるが三年前の七月七日に時間遡行し、
校庭に落書きしようとしてるハルヒの手伝いをしてから、
元の時間に戻れなくなった朝比奈さんを連れて行ったのが、
その時間にいる長門有希のマンション。
キョンは長門に何故自分達がここにいるのかという理由を述べ、
時間遡行前に長門がくれた短冊をみせると、
彼女は理解したといって、三年後の自分と同期しました。
「同期」
三年後の自分の記憶を知る。
ということは、今から三年後、
朝倉がキョンを襲うことを知っていたことになります。
それと同時に未来の自分に束縛されることにも。
彼女はそれを知っていた。
逆の言い方をすれば、そうしなければならなかった。
もしかしたら…
ここからは空想または、妄想の域をでませんが、
あの出来事は、茶番劇だったのではないか?
いくら端末とはいえ、重要人物を消去するなどという暴挙を
情報統合思念体が許可するはずはないし、
ましてや見逃すはずもない。
もし成功していれば、情報の奔流どころか、
ハルヒは確実に世界を作り変えていたはず。
朝倉は本気だった。
本気でキョンを殺そうとしていた。
そうでなければ意味がないから。
そして、長門が止めに入ることも規定事項。
SOS団の3人がそれぞれキョンに対して、自分達の正体を明かしても、
実体験を伴わないとなかなか人は信じることができない。
これをきっかけとして、キョンは自分がどういう状況におかれているか、
実体験において、見せ付けられた。
信じる信じないという次元ではなく。
これ以降のキョンの行動は、いうまでもなく。
朝倉涼子は、この為にあえて嫌われ役になったのかもしれない。
赤鬼と青鬼。
泣いたのはどっち?