体操男子 決勝


例によって結果は知っているが、録画したやつを観る。


予選と進め方が違うので、まずは整理。
予選では、6ヶ国が6種目を同時に演技して進行していく。
決勝では、8ヶ国のうち、2ヶ国が2種目を同時に演技していく。
他の国は出番まで控えてます。
一種目終ると、合計得点表示され、順位が確定します。
日本は、最初の一種目目の「ゆか」で7位と出遅れますが、
2種目目で、3位に浮上。
5種目終った時点で、2位まできました。
この時点での結果。
1位、ルーマニア
2位、日本
3位、アメリ
この時の点差が凄くて、
1位と2位の差が、0.060
2位と3位の差が、0.062
1位から3位のどのチームも金を狙えるということですね。
4位は1点以上離れているので、メダルはほぼ、ありえない。
大本命の中国は、なんと平行棒の失敗と、鉄棒の「まさか」の落下。
この落下が決定的になり、メダル圏から脱落。
ロシアも、これまた「まさか」のあん馬で落下。
落下すると、マイナス0.5点されるので、一気に順位が下がります。
そして迎えた最終種目の「鉄棒」
演技の順番は、ルーマニアアメリカ、日本
日本は全演技で、最終演技になります。
まずは、ルーマニアから。
1人目は、無難にクリア。
でも、2人目は、なんと落下!
ルーマニア悲願の初メダルが、「金」になるかというところで、
そのことが、影響を与えたとしか思えない演技でした。
3人目はベテランが完璧に演技しましたが、
落下の影響で、暫定「銅」に。
次は、アメリカ。
3人とも着地もピタリと決めてきたんですが、
難易度が低い演技だったため、思うように点数がのびず。
そのなかで、迎えた日本。
全ての国の最終演技。
1人目は、米田功が。
2人目は、鹿島丈博が、すばらしい演技を披露。
そして最後は冨田洋之
どんな気持ちなんだろう。
自分の演技でメダルの色が決まるというのは。
会場内の、全ての観客、カメラ、スタッフ、審判、そして選手が見ている中での演技。
一体、どんな精神力と集中力をもっているんだろう。
この鉄棒で、スーパーE難度を決め、まさに「すいつくように」着地。
その瞬間の富田の笑顔が最高でした。
2位となった、アメリカの選手も着地の瞬間、笑顔で拍手していた姿が、いいね。
富田の演技は、それほど魅了するにたる演技でした。
観てた俺も、振るえたよ。
結果「金」日本。
「銀」アメリカ。
「銅」ルーマニア
今回、一度の失敗がメダル圏外脱落という中での金。
とてつもない価値があります。
日本とアメリカの差は、
攻めつづけた日本と、無難にまとめたアメリカといったところでしょうか。
最後の演技に、スーパーE難度なんて、普通やらないよ。
それでもやって、しかも成功させた。
今回の、最大の敵は、1人の失敗が全体の失敗という、
かつて無いプレッシャーでしょう。
次のオリンピックは、中国の北京。
今度は、中国も雪辱を晴らしにやってくるだろうし、
ロシアもこのままではないでしょう。
アメリカ、ルーマニアも力をつけてくるだろうし、
ドイツも今回8位と最下位とはいえ、16歳のメガネ少年が中心となっているチーム。
4年後は20歳だから、どれだけ伸ばして来るか。
本当の意味での戦いは、4年後かもしれない。