薬師寺涼子の怪奇事件簿 黒蜘蛛島

いつもながら、楽しい小説である。
でも、一気に読んだせいか、予定調和すぎる気がしたかな。
なんか、短く感じたし。
しかし、そんなことはどうでもよろしい。
小説とは、想像の物語である。
そう、読者にとって。
どんなシーンなのか、想像と空想をもって、場面を創り出す。
描写の上手い作家ほど、内容は真実味を帯びる。
そして、田中芳樹氏は、描写の上手い作家である。
だから・・・だからこそ。
今回だけは怨みますよ、先生〜
あんな、あんな描写するなんて、拷問だ〜
泉田警部補はいいことを言った。
「ああ、これほどおそろしい拷問があるだろうか・・・見る者にとって。」
読者は言う。
「これほどおそろしい拷問があるだろうか・・・想像する身にもなってくれ(泣」



今回の小説の名文句は3つ。


「人生は短くて、読める本の数はかぎれてるのよ!」
まったく同感である。
「……いやなに。」
否定はしない。
「イヤです」
全面的賛成。